場所と物語

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「場所と物語」メンバーがさまざまな場所に出かけて発見したものや感じたことを、できるだけ新鮮なまま、即興的に物語るブログです。

[東京ステイ日記] ホームシック

ずっと、スカイツリーはきらいだった。初めて見たとき、バベルの塔みたいだと思った。傲慢だ、禍々しい、とさんざん毒を吐いた。 なのに今日、両国から乗った総武線がスカイツリーのそばを通ったとき、駅でばったり友だちと会ったように

[東京ステイ日記] 風をあつめてピルグリム

次の打合せ先へ向かう最短の経路をGoogleマップで調べたら、都電荒川線が出てきた。 最寄り駅まで徒歩11分、都電荒川線11分、駅から徒歩2分。東京で暮らし始めてからバスにはよく乗るようになったが、都電は「ゆっくり」「の

[東京ステイ日記] ベランダで根づいた山吹

東京で暮らし始めて2ヶ月が経った。 忙しい忙しい、と言い訳しながら、未だ本の詰まったダンボールに囲まれて眠っている。朝起きて雨が降っていなければ、窓を開ける。いつも水彩絵の具を薄めたような空と、やわらかく霞んだスカイツリ

[東京ステイ日記] 上海の路上で出会った仙人:後編

←この記事は『上海の路上で出会った仙人』前編の続きです。   公共空間という「制度の余白」 もうひとつは「外」の話。中国にはよく知られる通り、検閲というものが存在している。演劇の公演は事前に申請をして、脚本など