場所と物語

場所と物語

アーティストというヤドカリ/林千晶

鬼子母神堂につながる参道。二階建ての木造住宅が連なり、小さな商店街を形作っている。一軒の軒先に、センスのいい和食器が並んでいる。思わず入口を開けて中を覗き込んだ。「こんにちは〜」。 昭和の雰囲気が漂う一軒家。玄関にあがる

福生から、帰りの電車の中で。/馬場正尊

訳あって福生に来ている。 この街には初めて訪れるはずだけど、なぜか来たことがある気がする。 待ち合わせまでに少し時間があったから、改札前のコーヒーショップに入った。巨大な外国人が3人、狭い店内で異様な存在感を示している。

雪と炬燵とタコ焼きと/今田素子

  谷中っていうところは不思議な街だ。そもそも時の流れが違う。駅を降りて少し街の中に進んで行くと、すっかり遠くの街に来たような錯覚に陥った。 予定していたカフェに向かう途中、古民家の軒先でお兄さんが古い家具を拭